続・和漢三才図会の紹介「糟」

こんにちは!
私、九重味淋の蔵の屋根裏でひそかに古文書を研究し続けている、金子といいます。
Facebookやこのブログでたまに知識を披露するのが唯一の楽しみであります…フフフ(笑)

さて、怪しげな自己紹介はさておき、九重味淋には「時代館」という九重に伝わる古文書や古道具が展示されている部屋があります。
その中に、和漢三才図会という江戸時代の百科事典があるのですが、その中から一節を紹介しますね!

今日の項目は、「糟」について。
字が読めません~という声も聞こえてきそうですね。「かす」と読みます。
現代の字体ですと「粕」になるでしょうか、そう、酒かすの「粕」ですね!

糟のページを翻訳すると、以下のように書いてあります。

「酒、酢、飴のかすをどれも糟という。
酒かすに塩を少し入れて収蔵し、これに食物を貯蔵すると腐らない。
これでものを揉むとよく柔らかくなる。」

なるほど、つまりは粕漬けというものですね。
野菜など酒粕につけてつくる漬物のことでしょう。
江戸時代には庶民の人々が食物を腐らせずに保存して食べることができるものを多用していたことがこの文章から、感じとれます。
続いて、次のように書いてあります。

「こうじや、もやし(こうじのもと)の性質から、よく血を活かし痛みを止める。それで傷を治す効果がある」

血を活かす、というのは血のめぐりがよくなるという意味でしょうか、しかし痛み止めや傷を治す効果があるというのは初めて聞きました、薬としても使っていたのでしょうか。
読み進めると次のようにあります。

「瓜、ナス、大根をつけて香の物(おしんこう)にしたり、アユ・サケ・カツオを漬けて貯蔵すると数ヶ月たっても腐敗しない。粕とヌカを蒸してその露から焼酎にする。」

やはり、お漬物や貯蔵食品が主流だったのでしょうか。粕とヌカ蒸すことで焼酎もつくっていたのですね。
もともとはお酒などをつくったあとの副産物、江戸時代の人々は有効活用していたようです。

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是非一度、ご覧いただけましたら幸いです。
以上、九重味淋公式ブログでした。