無形文化遺産「和食」の課題

【ユネスコ無形文化遺産「和食」の課題】

和食のだしに欠かせないかつお節。

分析化学の発達により、

化学物質の測定が可能になったことから、

一部のかつお節や削りぶしには

ある程度以上摂り続けると

悪影響を及ぼす化学物質(ベンゾピレンをはじめとする

多環芳香族炭化水素類)が

含まれることがわかり、その低減対策が急がれていますドクロ

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平成25年3月、鰹節安全委員会の

低減ガイドラインがこちら

    ↓

http://www.kezuribushi.or.jp/kaiin/H2503-PAHs.pdf

EUでは、日本で製造されたかつお節の輸入を

禁止していますが、その理由は

●かつおをいぶす過程で付着する 

 タールや焦げ部分に「ベンゾピレン」という

発がん性物質が発生し、その含有量が

 EU基準を超えるため。

●かつお節を作る工場、設備が

 EU向け水産加工衛生基準(EUHACCP)を

 満たした加工施設でなければならない

だそうです。

5月から始まったミラノ国際博覧会では

輸入禁止となっている品目を

日本館に持ち込めるように要請し、ルールを守ることで

だしを取るための「かつお節」、

料理人の技を披露できる「ふぐ」などが

特例措置として持ち込み可能となったようですビックリマーク

あくまで例外的なケースであり、博覧会に

間に合うようにした一時的な回避方法であり

安全基準を満たしたわけではありません。

発ガン性物質と聞くと、ぎょっとしますが

かつお節だけでなく、燻製食品やバーベキューなど

直火調理した食品を食べる頻度が高いと

食品からの多環芳香族炭化水素類の摂取量が

増え、健康リスクを増やす可能性があるとのことです。

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製造コストを抑えるために大量生産用の工程で熟成せずに

短期間で製造するものを荒節(あらぶし)と呼び、

荒節を削ったものが「花かつお」となります。

飲食店や、家庭で、一般的に使われている

「花かつお」は、荒節を削る際

このタール部分を洗い落してから削られているようです。

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荒節の表面に付着するタール分を削り

そこからカビ付け、天日に干し、もうカビが

付かないほど乾燥させたものを「本枯れ」といい

仕上節となります。日数や手間暇がかかるため

とても高価なものなので、

これを日常に使う飲食店、家庭は少ないのでは

ないかと思われます。

かつお節につけられるカビは「鰹節菌」という

麹カビの一種でこのカビが、

かつお節に残った水分を取り除き

中性脂肪を分解し、香りや風味を増すので

かつお節のカビにかんしては

毒性のカビではないようですし、

日本はもともとカビをうまく利用してきた国であります。

かつお節の安全性に関しては、企業、国がきちんと

EUに向けてどんな検査をして、何が通らなかったのか

国内基準はどういう基準で

だから安心して大丈夫ですよということを

もっと細かく一般の人がわかるように、

説明してくれるといいのにな・・・と思います。

じゃないと、必要以上に「発がん性」だけが

一人歩きして、良い部分が見落とされてしまいます。


かつお節は特例措置として通りましたが、

ミラノへの特例措置すら認められなかった

乳製品、卵製品って・・・・

EUと日本の安全基準の差がいろいろあるようですね。

日本のチーズに関しては、

私はいつも裏の表示をしっかり見ながら購入しています。

余分なものを加えず、ちゃんとチーズの味がする

チーズが食べたいからです。

乳化剤、セルロース(結着防止剤)が

極力入っていないものを探すのですが、

そういう商品は5店舗回っても1店舗しか

扱っていなかったりで、

残念ながら特定のお店でしか買えません。

バターも、フランスのスーパーで購入するときに

私が見たものはほんの1部ですが、

賞味期限が長くて2週間というものを

見て、カルチャーショックを受けました。

フランスと日本ではバターの製造方法は

違うにしても、本来、乳製品の日持ちなど

短いのが当たり前だろうなと。

日本にいると、賞味期限が長いのが

当たり前という感覚に慣れてしまっているからです。

でも、フランスには高温殺菌で3か月日持ちする

牛乳があるので、感覚の違いなのでしょうか叫び

マーガリンも、

トランス脂肪酸の危険性がどうのこうのよりも

主婦としては原材料のが気になります。

バターは生乳、食塩だけでシンプルに作られて

いるのに対し、マーガリンは

食用植物脂、食用精製加工油脂、食塩、

乳化剤、香料、着色料などあれこれ入っています。

日本の食品は品質が一定だし、

便利なものもたくさんありますが

それを自分の子供に食べさせられますか?

という食品も少なからずあります。

日本のお茶も健康的なイメージで

海外でもペットボトルのお茶が売れていますが、

茶畑に農薬をバンバン撒いているところを

実際自分の目で見てしまったら、日本人でも

結構なインパクトでショックを受けます。

そのおかげで地元の無農薬のお茶が

どれだけ価値のある、すばらしいものなのか

よくわかりましたが(笑)

食文化の違いには様々な壁があるものの

健康的な食生活を望んでいるのは

どの国の人も同じだと思います。

無形文化遺産として「和食」の良さを

がんばって海外に広める活動をする人が

たくさんいる一方で、

私たちも国内で、食の安全性、食への意識を

高める必要があると思います。

安いから、便利という理由だけで選ばずに

何でできていて、安全なのか、

自分の食べているものに関心を持たないと

ますます「売れるから」という理由で

訳のわからない食品が増えてしまいます。

時代と共に、分析化学で危険性がわかったなら

和食=健康的、ヘルシーというイメージを

壊さず、どんどん進化しながら伝えなければいけません。

昆布のうまみ「グルタミン酸」と、

かつお節のうまみ「イノシン酸」など、

タンパク質から生まれるうまみを活かした

和食は、素材そのもののうまみをしっかり味わうため

食べすぎない効果もあるようなのです。

国内の若者にも、その文化をきちんと伝承しつつ

和食が世界中に愛されることを願います。

 

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